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Qスクールとは、ゴルフのプロツアーに参加するために必要な資格を認定する試験のことです。この試験をパスすると、プロツアーに出場する権利、つまりシード権を手に入れることができます。この権利を巡っては、毎年シーズンが終わるごとに世界各地のプロゴルフツアーで競争が繰り広げられ、次シーズンへの出場権を確保するための大切なステップとなっています。この記事では、日本とアメリカのゴルフツアーでのQスクールの概況に焦点を当てて解説します。
シード権・ツアーカード
世界のトップゴルファー達が集まり、最高の賞金を競うアメリカのPGAツアーは、その難易度とクオリティの高さでプロゴルフの頂点と認識されています。ヨーロッパツアーも同じく高い水準を誇り、これらはゴルフ界の最も重要な二つのツアーとされています。日本にはJapan Golf Tourがあり、PGA Tour of Australasiaや南アフリカのSunshine Tourと共に、世界でも特に影響力のある5大ツアーの中に入っています。しかし、全世界で見ると20以上のプロゴルフツアーが存在します。
これらのツアーで競うためには、シーズンを通じて競技に参加する権利であるシード権(ツアーカード)の獲得が必須です。この権利は毎年シーズン終了後に開催されるQスクールで得られます。また、日本を含め、いくつかのツアーでは二部リーグが設けられており(日本では男子がABEMAツアー、女子がチャレンジトーナメントとして)、ここでの良好な成績によって上位リーグへの参加権を獲得する道も開かれています。
アメリカ PGA ツアー
アメリカの男子プロゴルフツアー(PGA)は、世界で最も高いレベルと賞金額を誇りますが、その参加資格を得る方法やQスクールの役割には、年月と共に大きな変化がありました。2012年までは、Qスクールで上位25位以内に入った選手にPGAツアーへの参加資格が与えられていました。しかし、2013年から制度が変わり、Qスクールで良い成績を収めた選手には、PGAツアーではなく、下位リーグであるウェブドットコムツアー(現在はKorn Ferry Tourと呼ばれています)でのプレー資格が与えられるようになりました。これにより、選手はKorn Ferry Tourで経験を積んだ後、PGAツアーへの道を目指すシステムに変更されました。
この新しい制度は、多くのゴルフ界の関係者や選手から批判されましたが、変更は実施されています。現在、PGAツアーへの参加資格は、Korn Ferryツアーの賞金ランキングで上位25位に入るか、シーズン終了後の4試合からなる入れ替え戦で上位50位に入ることが条件となっています(ただし、賞金ランキングで既に資格を得た25人は除く)。
2019-2020シーズンからはウェブドットコムツアーがKorn Ferry Tourに名前を変え、このツアーファイナルが資格獲得のための重要な戦いとなりました。しかし、PGAツアーの本戦で勝つなどして、年間賞金ランキングで上位125位内に入ることで資格を得ることができる例外もあります。
入れ替え戦
2013年から導入された、シーズンの終わりに開催される入れ替え戦(初めはWeb.com Tour Finalsと呼ばれ、現在はKorn Ferry Finalsとして知られています)では、二部リーグツアーの賞金ランキングで上位75位に入った選手と、PGAツアーでフェデックスカップのポイントランキングで126位から200位までの成績が不振だった75位の選手、合わせて150位の選手が参加する資格を持ちます。この競争を勝ち抜いた50人の選手にはPGAツアーでの完全参加権(Full Exempt)が授けられます。参加権には、出場試合数に制限がある「Conditional Exempt」と、制限なしに参加できる「Full Exempt(またはExemption)」の二つが存在します。
二部リーグツアーでシーズン賞金ランキングの上位25人には既に翌年のシード権が付与されており、そのため、それら25人を除く上位の選手25人にPGAツアーへの新たな参加権が与えられるチャンスがあります。この仕組みは、PGAツアーの一部と二部間の実質的な入れ替え戦として機能しています。
Q スクール・最終テスト
Qスクールの最終試験に進む過程は簡単ではなく、参加者は3つの異なる段階のテスト、それぞれ4ラウンドのストロークプレーで構成される試験をクリアしなければなりません。これらは予備予選、一次予選、そして二次予選というステップで構成されています。各ステップで敗退しても、一定の成績を達成していれば次年度に一部のステップをスキップする特典があるため、全員が全ステップを経験するわけではありません。毎年約500人が二次予選に進み、その中から上位約160人(2013年からは約144人)が最終試験に挑戦します。ファイナルに進出すると、最低限、Korn Ferryツアーの条件付き参加権が保証されます。Qスクールでの上位成績は、翌シーズンに質の高い大会への出場機会を増やすことを意味します。
アメリカのQスクールはシード権を失ったPGAツアープロや海外のプロ選手が参加するため、非常に高い競争率を誇ります。さらに、アメリカにはKorn Ferryツアーよりも下位のミニツアーが存在し、プロの間での競争は激しく、名前があまり知られていない選手がPGAツアーで勝利を収めることもしばしばあります。
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