練習場ではできない傾斜からの打ち方と注意点

ゴルフスキルアップ

練習場で完璧なショットを打てるにも関わらず、実際のゴルフコースで上手くいかないという経験は多くのゴルファーが抱える問題です。「イメージトレーニングもばっちりなのに、どうしてだろう?」と月に一度コースを回るゴルファーがよく抱える疑問です。

このような課題の主な原因は、コースの傾斜にあります。日本の練習場では、ほとんどが人工マットの上でしかボールを打つことができず、実際のコースのような傾斜を体験する機会は限られています。

また、ゴルフのレッスン書を見ても、傾斜のある地面での構えや打ち方については著者ごとにアドバイスが異なり、どの情報を信じれば良いのか迷うこともあります。特に、使用するクラブの種類によって適切なスイングや構え方が異なるため、指導内容が幅広くなっています。

プロのゴルファーが雑誌で提供するアドバイスも、持つクラブによって異なることがあるのです。

本記事では、さまざまな傾斜での正しい構え方と打ち方をクラブごとに解説します。是非、次のラウンドでこの情報を活用してください。

つま先下がりの傾斜

ゴルフの初心者レッスンで頻繁に教えられるのは、つま先下がりの傾斜の打ち方です。この傾斜が最初に習う理由は、対応方法が比較的単純だからです。

この場合、クラブのトゥが上を向く傾向がありますが、適切に調整することでライ角が大きく影響することなく、ボールの飛び方をフラットに保つことができます。

つま先下がりでの適切な構え方は、スクワットをするように体重を下げ、かかとに体重を感じるようにしながら構えることが重要です。

まずはこの姿勢で素振りを行い、スイングの最低点でしっかりと地面にタッチしているかを確認してください。クラブヘッドが地面に届かなければ、より深くスクワットして重心をさらに下げる必要があります。

スクワット姿勢で膝が前に出過ぎて手の動きが妨げられる場合は、スタンスを広げると良いでしょう。

適切に重心を低く保ちながらバランス良くスイングできれば、つま先下がりの傾斜も怖くありません。

しかし、スイング中に前のめりになりすぎると、スイング軌道が外側から内側へと変わり、クラブのライ角が下がり、強いスライスが発生することがあります。

バランスを保ちつつしっかりと重心を下げてスイングすることが、つま先下がりの傾斜を克服するための鍵となります。

つま先上がりの傾斜

ツマ先上がりの傾斜では、ツマ先下がりの傾斜とは違い、ライ角が大きく影響を及ぼします。その結果、ボールは意図したよりも左に曲がることが多いので、狙う方向をしっかり考慮する必要があります。

この傾斜においてライ角が影響を受ける主な理由は、クラブが地面に接する際、トゥ側が高くなるためです。

トゥ側が地面に深く刺さるとダフるミスを引き起こし、これがフェースの向きを不安定にし、飛距離が落ちる原因となるため、注意が必要です。したがって、傾斜に合わせてクラブを正しく地面にセットすることが重要です。

ツマ先上がりでの構えでは、体重をつま先側に感じつつ、できるだけ高い位置に重心を置くことがポイントです。

クラブが通常より長く感じる場合が多いため、クラブを短く持つと良いでしょう。クラブを短く持つことにより飛距離は減少するので、1〜2番手重いクラブを使用することが望ましいです。

人によって異なりますが、通常は2番手重いクラブを使用することを推奨します。無理なくスイングすることでボールをしっかりミートしやすくなり、長いクラブを使うことでライ角がフラットに保たれ、ボールの曲がりを減らす効果が期待できます。

右足上がりの傾斜

ゴルフ指導書では、左足上がりの傾斜についての意見が大きく分かれます。この理由は、ロングクラブとショートクラブで球の打ち出し特性が大きく変わるからです。

具体的に、左足上がりの傾斜でロングクラブを使用すると、自然に打ち出し角が高くなり、「高打ち出し・低スピン」の飛ぶ弾道が容易に得られます。

一方、ショートクラブでは打ち出し角が過度に高くなるため、推進力を失い、高スピンのために飛距離が短くなります。

このため、ショートクラブを使う時は、傾斜に逆らって左足に体重をかけ、より立った姿勢でインパクトを迎えるべきです。対照的に、ロングクラブを使う時は傾斜に体を任せ、右足を固定して体が右に流れないようにするスイングが必要です。このスイングは内から外への軌道になりやすく、通常よりフックがかかるため注意が必要です。

ロングクラブでショートクラブと同じ方法で打つと、打ち込み角が強すぎて飛距離と方向性に不安定さが出ます。

左足上がりの傾斜では、クラブによって構え方やスイングの感覚が変わるため、様々な意見があります。

この記事を参考に、皆さんも使用するクラブに応じて構え方を工夫してみてください。

右足下がりの傾斜

この傾斜は左足下がりの形状であり、ショートクラブを使うと効率よく飛距離を伸ばせますが、ロングクラブではなかなか距離が出ません。

ボールの手前が高い位置にあるため、傾斜に合わせて自然と構えを低くする必要があります。スイング時には、左足でしっかりと地面を踏みしめ、バランスを保つことが重要です。

この傾斜でプレイする際には、ショートクラブでは打ち出し角が低くなるため、通常よりも飛距離が伸びることが期待できます。しかし、ロングクラブでは打ち出し角が低すぎるために、飛距離が短くなる傾向にあります。

このような傾斜でのプレイでは、どのクラブを選ぶかが非常に重要です。

他の傾斜と比較しても、この傾斜の難易度は高く、特に左足の使い方がクリティカルです。日頃から片足立ちでショットの練習や素振りを行うことで、傾斜に対する対応力を養うことをお勧めします。

 

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