パター練習は地味で退屈だとよく思われがちですが、実は日常的に、特にゴルフのラウンド前に自宅で続けることで大きな効果が得られる練習です。
地味な練習にも工夫次第で楽しみを見出し、忍耐力を養うことができます。自宅での練習ではロングパットの設定が難しい場合がありますが、ショートパットはパターマットを活用してさまざまな練習を試すことができます。これは単にカップイン率を向上させるだけでなく、基本的な技術を高め、実際のゲームで役立つ練習方法です。
ショートパット練習のチェックポイント
片手でのストローク練習
この練習はパッティングだけでなく、アプローチショットにも利用されます。パター使用時の目的は、両手で均等にグリップし、手首をなるべく使わずに肩でストロークする動きが正しく行えているかを確認することです。
片手でのストロークは、片方の手が過剰に力を入れたり、手首を使って距離感を調整するような悪い習慣を矯正します。片手のみで行うと、パターフェイスが安定し、ボールが真っ直ぐ転がる技術が身につきます。プロゴルファーの松山英樹もこの練習を積極的に取り入れています。
フォロースルー押し出しドリル
これはショートパット向けの基本的な練習です。通常スイングにはバックスイングが伴いますが、このドリルではバックスイングを行わずに実施します。
スタート位置からボールをパターフェイスで直接押し出し、ストレートに長く転がすことに焦点を置きます。この練習の目的は、インパクト時に力が抜けないようにすることです。特にショートパットでは、インパクトの瞬間に力の調整を誤ることが多いため、このドリルを通じて力の加減が自然に安定します。
インパクトが安定すると、小さいスイング幅でもボールを長く転がせるようになります。練習日には練習グリーンでこの練習を積極的に行うことで、通常のスイングがどれほど大きいかが明らかになります。
ただし、バックスイングを省略するこの方法は競技中にはルール違反になるため、実際のプレイ中には行わないよう注意が必要です。
小さい目標に命中させるための練習法
カップの直径はおよそ11cmで、一升瓶がすっぽりと収まるほどです。以前は一升瓶を横にして、その底をカップとして使用した練習もありました。
普段からカップの大きさでの練習は大切ですが、たとえば1円玉やもっと小さいマーカーを使って練習すると、実際のカップが比較的大きく感じられ、プレッシャーが和らぎます。この方法は、パターフェイスを正確に目標に向ける技術向上にも効果的です。
様々なパターグリップの試行
パターのグリップは他のクラブよりも平面が特徴で、これが力の均等な配分を促し、フェイスのブレを抑えます。
最近では多様なグリップスタイルが見られ、現在のグリップが適しているかもしれませんが、他のグリップを試すことで更に改善されるかもしれません。逆オーバーラッピング、クロスハンド、スプリット、クローグリップ、アームロック、プレイヤーグリップなど、色々な方法を試してみてください。
フックとスライスの影響
フックとスライスを同じ傾斜で打つと、スライスの方が曲がりやすいです。
これはパターのロフト角度と関連があり、一般的なショットで爪先下がりの位置を考えると、クラブの長さが増すにつれてスライスが強まることがあります。パターではロフトが最も少ないため、スライスする傾向が強いです。例えば、カップ2つ分のスライスを読む場合、2.5つや3つ分の調整をすることが推奨されます。
このように計画することで、ミスしても大きく外れることが減ります。特に下り勾配のロングパットでスライスラインを使う時は、3パットのリスクが高くなるため、注意が必要です。
グリーン外からの正確な距離感を掴む
パッティングの練習は、グリーン外から行うことも重要ですが、それには時間が必要です。フェアウェイの平坦なエリアや小さなラフ地、近くの花壇などからスタートし、時には30ヤード手前からボールを転がすのも効果的な方法です。
特にヨーロッパのゴルフコースでは風の影響が強く、ボールを低くして転がす技術が求められます。一方、日本ではウェッジを使っての美しいアプローチと1パットが一般的ですが、海外プレイヤーは地面を使ったプレイにおいても非常に技術が高いです。彼らの技術は、自然なコース環境や転がすプレイに対する創造力から来ています。通常のラウンドやフレンドリーなゲームで、遠くからパターを活用することを試してみる価値があります。アプローチが苦手な方にとって特に効果的です。
しかし、この技術を実際のプレイで生かすには、事前の練習が不可欠です。フェアウェイの芝はグリーンよりも抵抗が大きく、同じ距離でも必要なスイングの幅は異なります。さまざまな場所からパターをうまく使えるようになると、3パットの回数も自然と減少します。
パターは一見地味なショットかもしれませんが、ゲームにおいては非常に重要な役割を果たします。300ヤードのドライブショットも30センチのパットも、同じく1ストロークとして数えられるため、その価値を理解することが大切です。
効率的なパターの技術を習得するためには、日常的な練習が必要です。パター練習が単調だと感じることもあるかもしれませんが、ちょっとした工夫で楽しみながら続けることができます。自分に合った、楽しく持続可能な練習方法を見つけることが、上達のカギとなります。
構えや打ち方などの技術的な要素も大事ですが、さらにパターを頻繁に使う機会を増やし、実戦的な練習を心がけることが重要です。練習を重ねることで、自然と距離感やロングパットのタッチが改善されます。練習を楽しむことができれば、自然と練習時間も増え、パターのスキルが向上するでしょう。