ウェッジ選択のガイド:初心者から上級者まで

ゴルフ入門

ウェッジは近距離でのショットに特化したゴルフクラブです。長距離をカバーすることは難しいですが、ボールを高く舞い上がらせたり、バックスピンをかけてピタッと止めるようなショットには最適です。ただし、デザインや仕様の違いが操作感に影響を与えるため、自分にぴったりのウェッジを選んで、その特徴を上手く活かす方法を身につけることが重要です。

ウェッジ入門 – ロフト角の基本

ウェッジは、アイアン系のゴルフクラブの一つで、9番アイアンよりもクラブ面がより傾斜しているものをさします。このグループの中でも、最もロフト角が小さく、遠くまでボールを送ることが可能なのがピッチングウェッジです。一般的に、ゴルフのアイアンセットは5番アイアンからピッチングウェッジまでの6本で構成され、ピッチングウェッジはそのセットの一部を成します。ピッチングウェッジよりもさらにロフト角が大きいウェッジは、セットに含まれることもあれど、大概は別途購入することが多いです。

アプローチウェッジやサンドウェッジ、ロブウェッジなど、さまざまな種類があり、どのウェッジを選ぶべきかを判断するには、それなりの知識が求められます。また最近では、飛距離を優先する傾向があり、従来の9番アイアンに近いロフト角を持つピッチングウェッジ、いわゆる「ストロングロフト」のアイアンセットが人気を集めています。そのため、ウェッジを選ぶ際には、まず自分のアイアンセットに含まれるピッチングウェッジのロフト角を確認することが大切です。たとえば、タイトリストの異なるモデルのピッチングウェッジには様々なロフト角がありますが、市販されているアイアンセットのピッチングウェッジも同様に多様です。新たにウェッジを購入する際は、自分のセットに含まれるピッチングウェッジのロフト角を参考にすると良いでしょう。

次に示すのは、異なるピッチングウェッジのロフトに合わせた、理想的なウェッジのロフトの組み合わせを想像しやすくするための4つの例です。

  • PW (43°) – AW (49°) – SW (56°)
  • PW (45°) – AW (50°) – DW (54°) – SW (58°)
  • PW (46°) – AW (51°) – SW (56°)
  • PW (47°) – AW (52°) – SW (56°) – LW (60°)

 

バウンス:ウェッジのデザインにおける大事な要素

ウェッジを選ぶ際、まず考慮すべきはロフトの角度ですが、バウンス(bounce)も同じくらい重要な要素です。バウンスの大きさや形状は、ウェッジの使い心地に大きく影響します。使用する場面や個人の好みに応じて、大きめ、標準、または小さめのバウンスを持つウェッジを選びます。バウンスが大きいウェッジは特に、バンカーショットや深いラフからのプレイに適しています。サンドウェッジのバウンスは普通大きめですが、フェアウェイからのショットには大きすぎると扱いにくい場合があるので、選ぶ際には使用状況のバランスを考えることが肝心です。

バウンスの大きさは、主にバウンス角度とソールの幅や形状で決まります。サンドウェッジのバウンス角は一般的に8°から14°の間で、8°は小さめ、10°から12°が平均的、14°は大きめの範疇に入ります。ソールの幅と形状は、トレーリングエッジがどれだけ削られているかによって変わり、大幅に削られていると実際のソール幅は狭くなります。

ウェッジの分類と名称

最新のゴルフでは、3本から4本のウェッジをセットに含めることが一般的になっています。特に重要なのがサンドウェッジ(SW)で、一般には56度のロフト角を持つものが多いですが、58度のロフト角を持つSWも頻繁に使われています。ロフト角が60度を超えるウェッジはロブウェッジ(LW)と称され、64度を超えるものはエクストラロブウェッジとも呼ばれます。反対に、ロフト角が小さいウェッジはピッチングウェッジ(PW)として知られ、通常は43度から48度の間の角度です。ピッチングウェッジとサンドウェッジの間の距離を埋める役割を担うのがアプローチウェッジ(AW)、またはギャップウェッジ(GW)で、これらは一般に49度から53度のロフト角を持ちます。さらに、54度のウェッジも市販されており、これはサンドウェッジとギャップウェッジの中間的な役割を果たすクラブで、時々デュアルウェッジとも呼ばれます。

 

ウェッジのスコアラインと新しい溝ルール

ゴルファーにとって、ウェッジのスコアライン(溝の刻み)のデザインや状態がボールのスピンにどのように影響するかを理解することは重要です。2010年から、プロゴルフトーナメントでは新しい溝ルールが採用され、今では一般ゴルファー用のウェッジも大半がこの新ルールに準じています。この新ルールは2015年からトップアマチュアトーナメントにも適用されていますが、一般アマチュアゴルファーには2024年まで影響しません。

旧ルールでは、グルーブの幅は最大0.035インチ(約0.9mm)と定められ、溝間の最小距離はグルーブ幅の3倍以上、つまり0.075インチ(約1.905mm)以上でなければならず、グルーブの深さも最大0.020インチ(約0.508mm)までとされていました。さらに、グルーブの端が尖っていることや、紙やすりのようなクラブフェースは使用出来ませんでした。しかし2010年以降、プロトーナメントでは25度以上のロフトを持つクラブでのU字型グルーブが使用できなくなり、先の規定に加えて、溝の角を丸め、容量を小さくする新たな規定が設けられました。

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