ゴルフを新しい趣味として始める方には、初めて18ホールの本格的なゴルフコースでのプレー、いわゆるフルラウンドの日が、一つの大切な節目となります。それは、時間と努力を要する挑戦です。
ゴルフを新たなスポーツとして始める際には、他のスポーツとは異なり、何よりもまず楽しむことを最優先に考えるのが普通ですし、そうするべきだと思います。しかし、テニスやランニングとは一線を画す、ゴルフならではの特別な側面もあり、それをきちんと理解しておくことが大切です。ご自身のプレイの質やマナーが、同伴者だけではなく、次にプレーする方々にも影響を及ぼす可能性があるということを頭に入れておく必要があります。
最初に知っておくべきこと
ほとんどの人が意識していないかもしれませんが、ゴルフは他人への配慮が求められるスポーツです。ゴルフをする際には、自分の気付かないうちに他のプレイヤーの楽しみを損ねてしまうこともあります。たとえば、時間がかかりすぎれば他の参加者のペースを乱すことになりますし、フェアウェイやグリーンの状態を守らなければ、フィールドの質自体に影響を与えてしまうでしょう。そうした理由から、適切なゴルフ場での振る舞いを実現するためには、ゴルフのルール、エチケット、技術をしっかり学んでおくことが求められます。
段階を踏む
本格的なゴルフコースでは、一回のプレーには、通常4時間を超える時間がかかるます。これは、合間に昼食休憩を取ると5時間を越えることも珍しくないです。ゴルフを新しく始める方々に向けては、いきなり長距離の本コースをプレーするのではなく、段階的に技術を身につけることを推奨します。初心者には、パー3の短いホールばかりを含むショートコースでのプレーが適しているでしょう。ここではティーショットが多く行われるものの、実際の草地上でボールを打つ練習にもなります。本格的ゴルフコースのプレーとは違い、練習場の人工マット上とは異なり、芝の上からのショットは技術的に要求が高くなります。プレイヤーは、この環境の違いや、カップにボールを入れるまでのプロセスなどを学ぶ絶好の機会となります。さらに、プレイ中のマナーやエチケット学ぶことが大切です。
コースデビューで知っておくべきこと
ショートコースの体験を飛ばしていきなり本コースに挑戦する際は、ゴルフのルールやエチケットを学ぶために、ゴルフに詳しい友人や上司に一緒に回ってもらうのが得策です。ただ、人に教わるのに時間がかかるのが心配なら、ゴルフスクールでのレッスンを検討するのも良いでしょう。
初めてのラウンドでは、スコアを追求するよりも、学びに時間を使うことが長期的に見て有益です。その結果、全てのホールをプレーしなくても問題ありません。 ゴルフコースの初心者は、完璧なスコアを出せなくても、ルールを完全には把握していなくても大目に見られがちです。しかし、プレーの進行速度が遅かったり、基本的なマナーやゴルフの基本がわかっていないのは許されません。ですから、本コースへ行く前には打ちっ放し場で基本的な技術やルール、マナーをしっかりと身につけることが必要です。そして本コースデビューの時は、ベテランゴルファーからのアドバイスを受けてプレーし、分からないことがあればどんどん質問して学びましょう。
最低限必要な知識と能力
ゴルフの基本を知らずにコースでプレイするのは一般には認められない行動です。プレイにあたっては、他のプレーヤーに遅れずにラウンドできる最低限の技術と知識が必要です。この基本技術とは、スコアにこだわらずに正しいショットを打てる能力のことを指します。具体的な内容としては、
(1) ドライバーなどで行うティーショット、
(2) フェアウェイやラフからアイアンで打つフルショット、
(3) ウェッジを使って30や50ヤードほどの短い距離のアプローチショット、
(4) グリーン周りでピン目掛けて行うチップショット、
(5) パッティングの技術。
さらに、できればバンカーからのショットも基本を身につけ、コースデビューする前にこれらの技術を習得しておくのが理想です。スコアにおいては、OBさえなめれば、トリプルボギー以内で終えられることは可能です。
スロープレーがダメな理由
ゴルフではゲームの速度を保つことはエチケットとして非常に重要ですが、「プレーファースト」として知られるこの習慣がすべてのプレイヤーに理解されているわけではありません。「プレーファースト」の基本は、迅速にプレイを進め、他のグループの進行を妨げないようにすることです。多くの日本のゴルフ場では、ハーフラウンドを2時間15分以内に終わらせるよう勧めており、この時間を越えないよう心がけるべきです。 特に熟練したプレイヤーであれば2時間でハーフラウンドを余裕をもって完了することができます。
しかし、平均的なプレイヤーはボール探しや小さなトラブルも想定されるため、2時間15分が適切な目安とされています。このペースであれば、素早くプレイしている4人組も各ホールで2分未満の待ち時間で済みます。一方、ハーフラウンドに2時間30分かかるグループは、2時間ペースでプレイしているグループを各ホールで約4分も待たせてしまうことになります。つまり、そうしたグループは他のすべてのプレイヤーにも同じように待ち時間をもたらしてしまっているわけです。 信号が青になっても動き出さない前の車に苛立ちを感じるように、原因がはっきりしないスロープレーは他の人にも迷惑をかけてしまいます。