プレーの順番
ゴルフにおいて、プレーの開始順序は公式な規則で定められているわけではないが、一般的な慣例が存在します。各ホールでは、先行するショットは通常、前ホールで優秀なスコアを収めたプレイヤーから始められます。この優先権を持つプレイヤーを’Honor’(オナー)と呼びます。
初めてのホール、つまり1番ホールで誰が先に打つかは、くじ引きのようなランダムな手法で選ばれることが多く、時にはこうした方法で選ぶためのツールが用意されていることもあります。
最初のドライブ、つまりティーショット以降は、ホールから最も遠い位置にいるプレイヤー(ゴルファー達の間では「アウェイ」と呼ばれている)が先にショットを放つというルールが採用されているが、他のプレイヤーとほぼ同じ位置にいる時は、互いに干渉しないよう注意深くプレーすべきです。
しかし、速いプレーを促すプレーファーストという考え方も重要であり、準備のできたプレイヤーから順にプレーする ‘レディーゴルフ’(ready golf)というスタイルを臨機応変に取り入れることが望ましいです。
プレーファースト
ゴルフは一般的に4人ひと組で楽しまれ、場合によっては3人や2人でプレイするグループも見られます。コースの混雑に余裕があれば、9ホールを約2時間で回ることができますし、小さなトラブルがあっても、2時間15分程度で回ることが普通です。
競技によっては、2時間15分以上かかるとペナルティを受ける可能性があるという規定もあります。迅速なプレーは単にルールの一部であるだけでなく、重要なマナーとしても捉えられています。プレーが遅いと、自分のグループはもちろん、コース上の他のグループにも不快な影響を与えかねません。1ホール以上空けてしまった場合は、すぐに追いつくよう努力する必要があります。遅れが繰り返されると他のプレイヤーに迅速なプレーを強いることになり、不快感を生じさせることになります。
自分の番が来たら、すぐに打てるように準備しておくこと、効率の悪いプレーは避けることが大切です。他のプレイヤーがプレーしている間に、邪魔にならず安全に注意して、次に打つ準備ができる場所に移動しておくべきです。順番が来てからのんびりと歩いてボールへ向かうことや、アドレスを取る直前に余計な時間をかけることは好ましくありません。
初心者は迅速なプレーの方法をまだ身につけていないことが多いですが、迅速なプレーのコツを覚えると大きな改善が見られます。ボールを打つ前後のアクションを素早く行うことは重要ですが、慌てず落ち着いて行うことが基本です。一方、打つ直前に長時間立ち止まって考え込むのは避け、待ち時間にショットの準備をして、できる限り冷静にショットを打つようにしましょう。
ゴルフでは、道具を整えたりカートを操作することによって生じる、無駄な時間のことをもう一度考えてみましょう。自分で管理するプレースタイルが一般的になってきた今日、以前は気にかけなかった些細なことにも目を向けるようになっています。
プレーファーストのコツを具体的に例を示すと
- プレーの準備は、同伴者が打ち終わる前に始め、次に使うクラブを選んでボールの側で待機しておきます。
- カートへ戻る時は、使ったクラブはそのまま持ちながら移動し、わざわざバッグに戻す手間は省きます。
- ボールの位置がはっきりしないときは、使うかもしれないいくつかのクラブを携えて、カートとボールの間を何度も行き来することを避けます。
- カートは極力前方に進めて、リモコンがあればそれを活用します。
- カートが遠くにあるならば、わざわざ戻らずに進路を進めて、プレーに流れを作ります。
- 速やかなプレーを心掛けるよう、ルーチンに取り入れましょう。
- 歩くスピードを上げることを心がけ、必要であればさっと走り出せるようにしておきます。
加えて、自分のボールがどこに行ったのかを目で追うことはもちろん、他のプレイヤーのボールも見失わないようにすることで、ボール探しにかかる時間を短縮し、助け合う姿勢を大切にしましょう。スムーズなプレイを心掛けることはエチケットの一環としても重要です。プレイが円滑に進むように、互いに気を配るようにしましょう。
ゴルフでは、必要な時にきちんと時間をかけることが重要です。急いでプレーするとミスが増えてしまい、楽しみも減ってしまいますし、速いペースでのプレーを志向する際にも逆効果となってしまいます。じっくりと対応すべき瞬間と、それを見分ける力はプレーを円滑に進める上で不可欠です。緊急時にも慌てずに済むよう、いつも冷静さを保つことが大切です。経験豊富なプレイヤーは知っていますが、適切なタイミングで時間を使うことはプレーの質を上げることに直結し、ゴルフそのものをより楽しむことにつながります。
プレーの速さだけを追求するのではなく、それを制御する技術を身につければ、どんな状況でも余裕を持って対応できるようになります。これはプレーの楽しさを向上させ、スコアを向上させる手助けにもなるでしょう。日常的に速いペースでのプレーを心掛ける時は、そのリズムに合わせた練習とスタイルを鍛え上げることが肝心です。