アンプレヤブルのボール

ゴルフルール

ゴルフでは、もしボールがブッシュなどに入って打てない状態になった場合、1打のペナルティを受け入れる代わりに、ルールに定められたプレイ不可能(通称:アンプレ)に対する救済措置を選択することができます。また、物理的にはボールを打つことが可能でも、アンプレに基づく救済を利用した方が有利だと判断すれば、同じようにルールに基づいた救済措置を受けることもできます。

 

3種類の救済オプションについて

 

ゴルフの規則19では、プレイ不可能なボール(Ball Unplayable)の場合に取れる救済措置が3つ用意されています。具体的には、①ボールのある場所から2クラブ長以内で、ホールと反対方向のエリア、②ボールとピンを一直線に結んだライン上の任意の地点、③最初にプレイした場所、すなわちティーエリアや、救済の起点となる場所から1クラブレングス内ホールと反対方向のエリアからの再打です。ただし、2023年に行われたルールの改定により、特に②の選択肢には変更が施されました。

プレイ不可能なボールの救済手順

 

プレイ不可能なボール(アンプレヤブル)の救済を選択する際、まず行うべきはアンプレヤブルを宣言することです。この宣言を行わずにボールを拾うと、ボールを動かしたとしてペナルティが科されます。たとえば、木の上にあるボールを救済前に落としてしまうことがありますが、先に宣言することが大切です。ボールが木の上にある場合は、ボールの真下にティーを置いてから拾うのが望ましいです。最初に①の救済を考えていた場合でも、後から②の救済の方が適していると感じた際には、元のボールの位置が分かっていれば問題を避けられます。①の救済を選ぶ時には、ドライバーを使って2クラブレングス内を確認し、ティーなどの目印を置くことが勧められます。ドロップする際には、救済エリア内に置いたクラブにボールが当たらないよう注意し、万一当たった場合は再ドロップが必要で、それがルール違反につながることもあります。救済エリアを計測するために使用したクラブは、救済エリアの外に置くべきです。ただし、ボールが地面に着地した後に転がっても、それが救済エリア内に留まっていれば、ドロップは正常に完了したとみなされます。

 

ゴルフにおいて、アンプレヤブルの状況を宣言した後、ティーイングエリアでの再プレイを行わないケースでは、ほとんどの場面でボールをドロップしてゲームを再開することになります。このドロップの方法は、2019年と2023年のルール改正によって大きく変更されたため、特に注意が必要です。

2クラブ長の範囲で救済を受ける際にボールをドロップする場合、ボールは膝の高さから救済エリア内に落とす必要があります。この際、ボールは救済エリア内に留まる必要がありますが、2回ドロップしても留まらない場合は、2回目のドロップ地点にボールを置いてプレイを続けます。

また、後方線上での救済に関しては、2019年の改正と2023年の再改正によりルールが変わりました。この改訂で、後方線上の任意の地点にボールをドロップすることが定められました。ドロップしたボールが1クラブレングス内以上転がった場合は、再ドロップが必要です。2019年のルールでは、救済の基点から1クラブ長以内ならば左右どちらかにボールをドロップすることが許されていましたが、新しいルールではこれが違反となるため、この点には注意が必要です。

ゴルフ救済措置の慎重な選択

ゴルフでの救済措置を受ける際、もし先に述べた①の選択をすると、ドロップしたボールが2クラブレングス内に留まった場合、その位置からプレイを続けます。しかし、もしドロップしたボールがブッシュ内などに転がり込んでも、それが救済エリア内であればそこからプレイを続けるか、改めてアンプレヤブルを宣言して1ストロークのペナルティを受けて再救済を受けることになります。また、②の救済措置、つまりボールとピンを結ぶラインの後方にドロップする選択肢も、多くの場合で①より有利になることがあるため、急いで①を選ばず、②も検討してから最終的に決定するべきです。さらに、ドロップしたボールが不利なライに停止しても、再ドロップの条件に該当しない限り、そのボールでプレイする必要があるため、①と②のどちらを選択するかは、慎重に考えて決めることが重要です。

ゴルフのルールでは、いかなる状況下でも1打罰を受けて、最後にプレイした場所からの打ち直し(ストローク アンド ディスタンス、またはストロークと距離に基づく処置)が可能です。これは、アウト・オブ・バウンズ(OB)時の救済措置としてよく知られていますが、アンプレヤブルやペナルティエリアでのトラブル対応としても用いられることがあります。

バンカーにおけるボールの救済方法

バンカーの壁に深く刺さったボールや、バンカー内の芝生エリアにあるボールは、バンカー外のボールと見なされるため、以下のルールは当てはまりません。しかし、バンカー内でボールが砂に深く埋まってしまい、アンプレヤブルと宣言する状況が発生した場合、③のオプションを除いて、そのバンカー内での救済を行う必要があります。この際、①や②の選択肢を利用することが可能ですが、選択肢は限られます。バンカーでのボールのドロップについても、先に説明した一般的なドロップのルールが適用されます。

タイトルとURLをコピーしました