ゴルフは、基本的には大自然の中で行われるボール競技です。
その目指すゴールは、直径約4cmのボールを、可能な限り少ない回数で、直径10.8cmの穴に入れることです。
このゴルフボールは、その大きさが直径40mmのピンポン球とほぼ同じながらも、
その重さは45.9gでピンポン球の約17倍となり、かなりの重さがあります。
そのため、一定程度までボールを重くすれば、それだけ飛距離も伸び、
男性プレイヤーの中には200m以上もボールを飛ばせる人もいるのがゴルフの醍醐味となっています。
とはいえ、他の一般的な球技が限定されたコートやフィールドを激しい動きで駆け回りながら相手と試合をするのに対し、
ゴルフはその概念からすでに異なります。
ゴルフは、整備されつつも自然と一体化したコースで、静止したボールを最小のストロークで目標へと打ち出すことが求められるのです。
的確さと力学が重要視される点においては、射撃競技やアーチェリーにも似た要素があり、
その一方で、激しい動きを必要としない点で他の球技とは大きな違いがあります。
ゴルフで重要なのは、ボールをどれだけ正確に飛ばせるかということです。
しかし、それと同時に、ボールを遠くまで飛ばせる力も大切な要素です。
ゴルフでは力強さと的確性が互いに補完し合い、その結果がスコアに直結します。
一方、ターゲットに近づいた後は、勢いよりも技術が問われ、転がすだけのパットや軽く打つチップが必要となるので、
ここでの力はあまり求められません。
しかし、これらの技術の良し悪しは、ゴルフのスコアを大きく左右する要素となります。
ゴルフコース
ゴルフは、広大なフィールド上の天然芝を主要な素材として活用します。
各フィールドは一風変わったデザインで特徴づけられ、プレイヤーの目標はスタート地点(ティングエリア)から
ゴール(カップ)まで最小のストローク数で進行することです。
この単回プレイエリアは「ホール」と呼ばれ、一つのゴルフゲームは通常18ホールを総なめして完了します。
すべてのホールには、ティングエリアとカップが設置された緑地(グリーン)が設けられています。
プレーヤーは、カップに向けてボールを打ち続け、
最後にパターを使ってボールを転がしカップに入れることで一ホールのプレイが終わります。
グリーンエリアは約20~30m四方(縮尺に厳格な制約はありません)で、芝が短く刈ってあり、他のエリアとは一見して区別できます。
各ホールはそのデザインが大きく異なりますが、ティーエリア、グリーン、ラフ、さらにフェアウェイ、バンカー、ペナルティーゾーン
(通常は水エリアやその周囲でウォーターハザードとも呼ばれます)から成るのが一般的です。
ただし、いくつかのホールにはフェアウェイやバンカー、ペナルティーゾーンが一つもない場合もあります。
場外へ出てプレイできなくなったボールは「アウト・オブ・バウンズ」(OBと略される)となり、これは罰則の対象となります。
また、ホールの長さによりパー(規定打数)が設定されています。
一打で到達する短いホールはパー3、2打必要な長いホールはパー4、さらにそれ以上の長さのホールはパー5となります。
一般的なフィールドでは、各パー3、4、5のホールはそれぞれ4、10、4ホールとなり、
全18ホールのパー合計は72と定められています。
ゴルフは羽を皮で包んだボールを棒のようなもので打って、それを小動物の穴に入れる遊びから始まったとされています。
しかし、フィールドが今日の形、すなわち18ホールとなったのは実は最近のことです。
ちなみに、1860年に行われた最初の全英オープンでは12ホールで、
3日にわたってトータル36ホールがプレイされました。
ゴルフの競技方法
ゴルフは、ティングエリアから始めて、ボールをグリーンのカップに入れることを目指すスポーツです。
最初のボールはティングエリアから打たれ、特別にティーショットと呼ばれるものはティーペッグという道具を用いて地面に固定したボールを打ちます。
それ以降はフェアウェイやラフの芝上、時にバンカーの砂上からボールを打つこととなります。
ボールがターゲットのグリーンに乗ったときには、他のプレーヤーの邪魔にならないようにマーキングして一度ボールを拾い上げ、同じ位置に戻します。
その後はパターというクラブを使ってボールをゆっくりと転がし、カップに入れます。
この基本的な流れが自然に進行していきます。
ただし、ゴルフは様々な形式でプレーが可能で、マラソンのような全体のベストスコアを争う形式や、
格闘技のような一対一の対決、またはテニスダブルスのようなチーム戦などがあります。
さらに時間が経てば経つほど、さまざまな競技方法が導入されてきます。
ここでは、特に一般的かつ人気のあるストロークプレイとマッチプレイの二つについて簡単に説明ます。
ストロークプレイ
ストロークプレイは、一定のラウンド(通常は18ホール)で打った回数の合計で競うもので、
1ラウンドだけではなく複数ラウンドの平均打数も競われます。
この形式は結果が明確なため、プロもアマチュアもよく選ぶ方法です。
ゴルフ用語で「100切り」や「パープレー」というのは、18ホールでの合計打数が100未満、
またはパー(72)であることを指す言葉です。
マッチプレイ
一方、マッチプレイは2人で行い、各ホールごとの勝敗で競います。
例えば、1番ホールで相手が5打、自分が4打で終了した場合、4打の自分の勝ちとなります。
負けた側の打数が5でも6でも結果は同じで、1ホール負けとなります。
途中で大きな打数差がつくこともありますが、全18ホールの結果による勝負とは違い、
各ホールでの戦略が重要となります。
9ホール終了時点で、自分が4ホール勝って3ホール引き分け、2ホール負けていたら、
その状況を2アップ(または2ダウン)と表現します。
その上で、3ホールリードして残り2ホールとなれば、逆転が不可能となり勝負が決まります。